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お笑いホープ大賞 決勝

準決勝レビューを経て、ようやく決勝。

登場順に、駆け足で感想を書いていきたいと思います。

三拍子
漫才の合間に、高倉がポソッと「僕、ホモなんですけどね」と言って、久保が困惑するという挟み込みはよかった。
ネタは「プロポーズ+お父さんに『娘さんをください』と言いに行くとき」。
よく漫才に使われるシチュエーションだが、色々な角度からのボケを織り込んでいた。
「やるな」と思ったのは、「なぜ、僕じゃだめなんですか?」と高倉が(父親役の)久保に言うくだりで、「相方がトップバッター引くからですか?」(注:その前の抽選で久保がトップバッターを引いてしまった)と言ったところ。おそらくアドリブだと思うが、久保が本当に「それを言うなよ」とただただ苦笑するしかなかった様が逆に面白かった。ここだけで、個人的にはかなりの高ポイント。
全体を通して笑いどころの頻度も多く、これまで見た三拍子の中では一番よかったが、理不尽な高倉の振る舞いに、久保がもっと怒った感じを出してもよかったかなあという感じも(ただし、あくまでも善人キャラは崩さずに)。

ラバーガール
記憶にあるなかでは、今まで一つしかネタを見たことがない(準決でやった「空き巣ネタ」)ので、「いったいどんなネタをやるんだろう」と期待半分、不安半分で見たが、正直「当たり」だった。
ネタは「空気の読めない友達(?)」。友達に「泊まっていけよ」と言いつつ、陰で母親に「あいつ、まだ帰んないんだけど~」と言って、それを壁越しに聞いた相手が困惑するという設定だったが、大水のあっさりと人を裏切りそうな感じ(?)と、飛永のいかにも騙されやすそうな感じとうまく合ったいいネタ。
ただ、最後のオチはちょっと強引だったか。ネタ前のインタビューで「準決勝まででネタを出し尽くした」と言っていたが、今後、露出や出番の増加に耐えうるには、得意ネタを増やすことが不可欠になっていくと思う。

茶井木竜象
準決勝のネタをふまえて、「さあ、次はどんなネタをやるんだろう」と思って見たのだが、準決勝とほとんど同じ(次元ネタ)だったのでがっかり。
準決勝と決勝は違う日(後で知ったのだが。観客もほとんど入れ替わっていた?)だったので、それもありと言えばありだったのかもしれないが、「ちょっとなあ~」というのが正直な気持ち。

東京03
サッカーの日本代表を録画していた男が、タクシー乗り場で日本代表のユニフォームを着ている人を見て「結果、絶対言わないでね!」と念を押すという設定のコント。録画していた男役の角田が、例によってオーバーアクションぎみ(それでいてちょっと面倒くさいタイプ)の演技。
流れとしては、角田と飯塚(日本のユニフォームを着ているファン)のやりとりがひとしきり続いた後で、また別の日本代表の試合を見た人(豊本)がやってくるという展開。
それぞれの立場をうまく振り分けたネタだと思ったが、正直もう1つか2つ展開の広がりが欲しかったという点で、物足りなさも残った。

上々軍団
準決勝に引き続き、歌ネタ「懐かしい歌」の替え歌)から始まったが、「だんご3兄弟」を「亀田三兄弟」に替えたつかみは面白かった。途中からは「こんな校歌はどう?」という漫才。
最後の方は失速した感があったが、あまり期待していなかったこともあってか、準決勝に続いて、意外と笑える所があった。今後、どれだけ伸びることができるか。

キャン×キャン
「荒れる成人式」「息子にガツンという父親」などをとり入れた漫才。
1つのテーマに対していろんなボケをするというより、どんどん場面を変えていって次々とタイプの違うボケを繰り出していくという展開。
よく聞いていると、結構しょーもないボケもあったりするのだが、長浜の自由っぷりが、あまり笑えないボケもうまくカバーしていると思った。
客席の反応どうこうよりも、長浜自身が漫才をやることを楽しんでいる(ように見える)のが、キャン×キャンの強みかも。
なお、マスオさんの「エーッ」と驚く時の真似は、(準決勝に引き続き)かなり客席がウケていた。

ハマカーン
「ロボットがいろいろな職業に就いたら?」という漫才。
「野球ロボ」「警官ロボ」「漫才ロボ」と3つのシチュエーションをやったが、浜谷のロボぶりはよかった。「漫才ロボ」の時の動きでちょっとクドいかなと感じる部分はあったが、全体的にはよく出来ていたネタだったと思う。
なお、客席の反応はほとんどなかったようだが、「野球の投手ロボ」のピッチングの後の動きに対して、「ちょっと井川っぽい」という神田のツッコミは、後でじわりと来た(^^)(わかる人は少ないツッコミ方だったと思いますが……)。

U字工事
いつものように、栃木訛りを生かした漫才。
「もしも織田裕二が栃木訛りだったら……」というつかみは面白かった。
ネタ本編は、「『田舎に泊まろう」』系の番組リポーターとそれに応対する田舎の人」。
雰囲気や喋り方の特徴が売りという芸人は、最初は面白いものの、何度か見ているうちにだんだん飽きてくることが多いものだが、U字工事は意外と飽きない。見かけによらず、結構いろんな角度からのネタができるのがいいのかも。
準決勝レビューでも書いたが、一見場違いとも思える「M-1」決勝で是非一度見てみたいと思う。

やまもとまさみ
SM嬢(?)が、地図や地面に八つ当たりするという一人芝居。
本人曰く「賭けに出たネタ」と言っていたが、まあある意味、賭けだったかなあ(^^)という印象。
やまもとまさみは、これまであまり見たことがなかったのだが、この人のネタは、カマネタ系が多いんだろうか。

レム色
いつものように、回文ネタ。
準決勝とほぼ同じネタだったので、特に感想はなし。
ネタとは直接関係ないのだが、公式HPのプロフィールのところを見たら、横国大と東大(中退)と書いてあってビックリした。ただし、事務所は「げんしじん事務所」(^^)。

ザブングル
「道で財布を拾った男がしばらっくれる→バレる→逆ギレ」するコント。
他の芸人には絶対真似できない顔と気持ち悪さを持つ加藤のスパークぶりが、最大のポイントでもあり逆に客を引かせる原因(?)でもあるコンビだが、その加藤のキャラを100%生かしたネタ。
ただ、加藤の「悔しいです!」はちょっと見飽きた感も。ネタ自体も、加藤の三変化(七変化まではいっていない)だけで終わってしまい、最後の落とし方も物足りず。
やっているとは思うが、加藤の顔に頼らないネタも見てみたい気がする(ネタ中、まったく加藤の顔に触れなくたって、どうやっても目立つし)。

超新塾
当然いつもと同じ形のネタ(今回は「ヒーロー」「総理大臣」)。
せんだみつおゲームをパロッた集団ボケ(「オレが」「総理」「大臣」→「郵政民営化!」)は面白かった。
あと細かいところでは、時折、新塾マンモス(客席から見て一番右)が、「何!」を言い忘れていたのが残念(^^)(この「何!」があるからこそ超新塾なので、そこはしっかり)。


ということで、以上の12組の戦いとなったホープ大賞決勝でしたが、優勝したのは「東京03」でした。
正直、ネタの展開にもうひと工夫ほしかったなあという印象があったので、結果を聞いたときはちょっと意外な感じもしました(優勝決定時のリアクションを見ると、本人達もあまり予想してなかったみたい)。
審査方法もそんなに明確なものではなかった(特別審査員〔林家正蔵、倉田真由美(漫画家・最近はコメンテーターも)、元祖爆笑王(放送作家、高田文夫の代役?)〕+客席票という形らしいが)のですが、もしかしたら、今までのキャリア+昨年2位という実績で、若干の上積みがあったでしょうか(東京03は、03以前から好きな芸人達なので、賞をとったということに対しては嬉しい気持ちはありましたが)。

個人的には、三拍子キャン×キャンハマカーンといったところも優勝してもおかしくなかったと思いますが、いずれにせよ、今回は漫才勢が力を見せた大会だったと思います。
ちょっとさきの話になりますが、どうしても吉本・大阪勢が強い感のある「M-1」の決勝に、今年は、こうしたメンバーも食い込んでほしいなあと思います(前述したU字工事も)。

あと、「お笑いブーム」といいつつも、純粋にネタを競う番組は数えるほどしかないなか、他の民放(特に関東の)でも、こうしたコンテスト系の番組をやってもらえればと感じた大会でもありました。


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by momiageculture | 2006-07-03 02:44 | お笑い | Comments(0)

お笑い・音楽レビューを中心に続いています。細々と更新し、20年目。SPECIAL OTHERS、スカパラ、ゴッドタン、クイズ☆タレント名鑑 etc。/スポーツ系記事はこちら→http://agemomi.exblog.jp/


by もみあげ魔神
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