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若手お笑い芸人は何を目指しているのか

ここ数年は、テレビを見るにも、リアルタイムで見ることはあまりなく、ほぼ、自分が見たいと思ってHDD録画した番組を見ていることが多い(スポーツなどはのぞき)。
そうしたなか、今年の正月、久々にリアルタイムでテレビを見ていて思ったのが、「どの番組見ても、おんなじタレントが出てるなあ」だった。
正直、あえて言うことではないかもしれない(^^)のだが、心底、そう思った。

おそらく、今テレビに多く出ているタレントは、制作側にとって「使いやすい」タレントなのだろう(その他、事務所がプッシュしているなどの事情もあるだろうが)。
そのなかには、当然というべきか、お笑い芸人も多数いる。
ときにパネラーであったり、ときにリポーターだったり、キャリアがある芸人の場合は、MCを務めることもある。
ただ、そこに共通するのは、「使われている側」という側面。
テレビ番組の制作の構造上、仕方がないのかもしれないが、MCでも、主導的立場というより、あくまで一つのパーツという番組も目立つ。

ちょっと前になるが、「笑っていいとも」のグランドフィナーレのとき、ビッグネームが一堂に介したことが大きく話題になった。
明石家さんま、ダウンタウン、とんねるず、ウッチャンナンチャン、爆笑問題、ナインティナイン…。
それぞれ、時代を代表するような自身の冠番組を持った経験があったり、今も自身の冠を関した番組を持っていたりする芸人たちである(もちろん、タモリも)。
ただ、これらの芸人が、そうした自身の番組を持ち始めたのは20年前近くまで遡る。

その後の世代(あるいは、その後にブレイクした芸人)で、こういった番組を持つ芸人が出てくる頻度は各段に減った。
それこそ、ネプチューン(ブレイク時期は爆笑問題と同時期だが)、ロンドンブーツ1号2号(実質は淳だが)、雨上がり決死隊。あとは、深夜帯の冠番組が多いが、さまぁ~ず、自身の冠番組とまでは言えないがかなり自身の色を出した番組の多い、くりぃむしちゅー、「深夜ならお任せ(?)」のおぎやはぎ、ぐらいか。
その他、フットボールアワー後藤、アンジャッシュ渡部なども、露出は多くなっているが、どちらかというと、パネラー的要素、またMCを務めるときも、情報番組系のMCというスタンスが多い(MCとしては、今田・東野という強力な芸人もいるが)。
博多大吉の露出の仕方などは、近年の芸人のブレイク傾向を象徴しているようにも感じる。

さきの20年前ぐらいは、ブレイクして、その後、地上波のゴールデンで自身の色を生かした冠番組をやる、というのが、一つの目標みたいな部分があったように思う。
しかし、2016年において、その可能性というのは、非常に小さい。
ここ最近で、自身の色を生かした冠番組を持つようになった芸人となると、有吉ぐらい。
逆に、マツコ・デラックス、坂上忍など、芸人ではない人達が、そうしたポジションになることの方が増えつつある。

もしネタ番組などでブレイクしたとして、その後は、ネタでのキャラがコメントにも生かせることで出演が増える、テレビ番組的に使いやすいタレントになる、場をまとめる素養を生かしてMC的仕事が多くなる、趣味を生かして「お笑い+趣味」のような仕事が増える、というのが、多くの若手芸人にとっては、現実的な目標のように思う。

ただ、果たして、芸人にとって、そうした形が最終目標でいいのだろうか。
確かに、「仕事」という側面では、いかに「求められたものをやるか」というのは重要だろう。でも、芸人としては、本来は、「いかに求められるようにやるか」よりも、「いかに、自分がやりたいものをやるか」の気概の方が上回ってほしい気持ちがある。
もちろん、最初から「自分がやりたいものを100%やる」のは難しいかもしれない。ただ、できれば、最終目標は「自分がやりたいと思うことで、見ている人を笑わせられる番組をやる」というところに持ってほしい(ネット動画で、そうしたことが簡単にできる時代ではあるが、より多くの人に届けるという気概も含め)。

そういった気持ちがあれば、現在、減少の一途を辿っている、芸人が自身の色を前面に出した19~23時台の番組も、復活してくる可能性もあるかもしれない(そうしたリスクを負うような覚悟が、テレビ局にあればという部分もあるが)。

現在、大物と言われいてる芸人も、10~20年後は、さすがに第一線からは引いている人も多いだろう。
しかし、その後を継ぐ世代に、「自分はこういうことをやりたい」というビジョンが無ければ、そうした大物たちがいなくなっても、代わりに冠番組が持てるわけでもなく、また「使われる」色の強い仕事が増えるだけになる可能性が大きい。
先人たちが築いた「芸人」の地位も、低くなっていくかもしれない。

一見、お笑い芸人が席巻しているように見えるテレビ界も、芸人にとっては「今が一番のピーク」かも…。
金太郎飴のように見えるテレビ番組を見続けていて、そんな思いがよぎったが、そうした思いを打ち消すような若手芸人が、2016年は、数多く出てきてほしい。


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by momiageculture | 2016-01-30 01:34 | お笑い | Comments(0)

お笑い・音楽レビューを中心に続いています。細々と更新し、20年目。SPECIAL OTHERS、スカパラ、ゴッドタン、クイズ☆タレント名鑑 etc。/スポーツ系記事はこちら→http://agemomi.exblog.jp/


by もみあげ魔神
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