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新M-1前夜

5年ぶりとなる、M-1決勝まで、あと2日となった。

そして決勝2日前となる金曜日。審査員9名が発表された。

 ○中川家/礼二
 ○ますだおかだ/増田
 ○フットボールアワー/岩尾
 ○ブラックマヨネーズ/吉田
 ○チュートリアル/徳井
 ○サンドウィッチマン/富澤
 ○NON STYLE/石田
 ○パンクブーブー/佐藤哲夫
 ○笑い飯/哲夫

前回までのメンバーから一新。M-1で優勝したコンビから各1名の選出である。
できれば、このメンバーに、山崎と柴田が一番端と一番端の席でしらーっと混ざってくれていたら言うことはなかったが(^^)、決勝進出者の顔ぶれを見ても感じた「新M-1」という側面が、完全に露わになった。
この夏、本ブログでレビューを書きまくった「笑けずり」でもその傾向は見て取れたが、審査をする側も、完全に世代交代に入ったといえる。

各審査メンバーの得点はもとより、どんなコメントを言うかは興味深いところ。
とにかく、このメンバーでよかったと思うのは、トップバッター・2番目と、かなり際っぽい芸人という並びのスタートでも、(審査員のいくぶんソフトな表情で)そこまで悪い空気にはならないのでは、ということ。

その決勝進出者に関して、簡単なプレビュー(準決勝は見ていないので、準々決勝・3回戦の動画などを見てのプレビューです)。


1. メイプル超合金


「ザ・飛び道具」。抽選で決まったネタ順なのかもしれないが、このコンビをトップバッターにだけはしない方策はなかったものか(^^)。ビジュアル的には、昨年、ナンシー関のドラマでその激似っぷりに衝撃を受けた、安藤なつのインパクトが大きいが、ネタの主導権を握っているのは、カズレーザーの方。かなりいい加減…に見えつつも、結構そのすらし加減がうまかったりする。そう考えると、時折セリフ読みっぽくなってしまうこともある、安藤なつのツッコミ方が鍵を握りそう。


2. 馬鹿よ貴方は

昨年の「THE MANZAI」でも決勝に出場し、大きな大会でも足跡を残しつつあるが、相変わらず得体がしれないコンビ。お笑いが好きでやっているのかどうかすら、怪しいコンビ(^^)。シュールとはまた違うのだが、「笑い」というカテゴリーで勝負しているわけじゃないんじゃないかという気すらする。ファラオのインパクトが大きいが、新道の存在も、なかなか謎に包まれている。“謎”のままで終わるのか、それとも……。


3. スーパーマラドーナ

前2組に比べたら、全くの正統派(^^)(ネタが終わった後、「やっと普通の漫才が見れましたね」という今田耕司のコメントが浮かんでくる)。昔のパンクブーブーと同じく、そこまで目立つ存在ではないながらも、毎回、安定して笑わせてくれるコンビである。昨年の「THE MANZAI」は決勝に進むものの、そこまでインパクトは残せなかった。"リアルのび太”とも言える田中に、ぜひ陽の目を浴びてほしい。


4. 和牛

水田の理屈こねまわしキャラは、個人的には大好き。その魅力にとりつかれれば、最後までずーっと楽しめるネタ。逆に言えば、最初の数くだりで、見ている側の心をどれだけつかめるかが、ハマるかどうかの分水嶺。川西の表情のつくり具合も重要になってくるだろう。関西のコンビではあるが、ネタ的には、十分関東でも受け入れられる類のネタだと思う。


5. ジャルジャル


「馬鹿よ貴方は」と並んで、どんな角度から来るか、わからないコンビ。出立ての頃は、その突拍子も無い角度の発想が新鮮ではあったが、タレント要素が強くなってきたことで、そのヘンテコ感が薄まってしまったところもあった。幸か不幸か、その後、そこまでタレントとしてのキャラが濃くなってはいないことで、再び、ネタの新鮮さを見ている側に感じさせることができるか。ジャルジャルの場合、漫才でそれを表現するのは、なかなかハードルが高い気もするが。


6. 銀シャリ

準決勝は見ていないが、それまでの予選で、そこまでインパクトを感じはしなかったので、ちょっと意外な選出ではあった。確かに、橋本のたとえツッコミは上手い。ただ、鰻のボケがそれに見劣りすることも多く、橋本のセリフが浮いてしまうことが結構ある。もしかしたら、ボケのセリフの問題というより、鰻のボケの温度と橋本のツッコミの温度が違うことが原因のような気もする。果たして、「上手い」を「面白い」が超えられるか。


7. ハライチ


今回のM-1予選では、これまでのノリツッコミ一辺倒とは少し角度を変えたネタ。澤部のキャラを生かしつつ、聞きごたえも増やした、いいネタだとは思う。問題は、ネタ途中で、岩井が笑ってしまわないかということ。人によって意見が分かれるかもしれないが、個人的には、ネタ中に演者自身が笑ってしまうのはアウトだと思う(千鳥の大悟も時折、そうしたことがあるが)。今回の審査員は、現役世代でもあるだけに、そのあたりはかなり厳しいのでは。


8. タイムマシーン3号


正直、3回戦の動画を見る限りでは、漫才師としてのスキルの高さは感じるものの、今までのタイムマシーン3号とそこまで変わっていない気がした。
しかし準々決勝のネタに関しては、ほとんどスキの無い構成で、貫禄すら感じた。タイムマシーンの場合、山本、関ともに、漫才としての巧さは申し分ないものの、逆に巧すぎて、見ている側を置いてきぼりにしてしまうことが間々ある。
この前、久々に、前回、タイムマシーンが決勝に進出したときのM-1でのネタを見た。このときも、すでに巧かった。ただ、審査員はあまり笑っていなかった。実際、巧さばかりが先攻し、小手先な感じも否めなかった(結果は7位)。
そこから10年が経った。ここまでの8組中、M-1に、一番大きな忘れ物をしているのは、間違いなくこのコンビではある。


9. 敗者復活勝ち上がり


ここは、どこが挙がってくるか、全く読めない。東京ダイナマイト、POISON GIRL BANDあたりも、ハマれば十分チャンスがあるだろう。実力から言ったら、ナイツは申し分ないのだが、果たして「今回のM-1で、ナイツを上げる意味って?」という思いもある(実績から言えば、もはや卒業していていいコンビなので)。
そうしたなか、個人的に上がってほしいのは、ダイタク。ネタを見たことが無い人も多いかと思うので、あえて「クオリティの非常に高い双子ネタ」という説明にとどめるが、ネタ構成、2人のテンポ、セリフの言い方など、相当にポテンシャルを感じさせるコンビ。数年前、レッドカーペットにちょっと出ていたときは、まだそこまでインパクトは無かったが、双子ネタという要素を差し引いたとしても、そのスキルは高い。もし勝ち上がってきたら、優勝までかっさらうぐらいの可能性も秘めているコンビだと思う。


果たして、12月6日(日)の20時48分頃、歓喜の握りこぶしを作っているのはどのコンビだろうか。


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by momiageculture | 2015-12-05 00:26 | お笑い | Comments(0)

お笑い・音楽レビューを中心に続いています。細々と更新し、20年目。SPECIAL OTHERS、スカパラ、ゴッドタン、クイズ☆タレント名鑑 etc。/スポーツ系記事はこちら→http://agemomi.exblog.jp/


by もみあげ魔神
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