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「もっと評価されていい」バラエティ番組

以前も書きましたが、ここ最近、定期的に見ているバラエティ番組は「ゴッドタン」ぐらい。「ハマ3」も「バチバチエレキテる」も終わってしまい、ちょっと物足りなさを感じる今日この頃。たまに「オンバト+」を見たりもしますが、正直30分ずっと見てるのは辛いなあと思うことも(しかも、結構名前の知られている芸人が出ている回でも)。

そんななか、このところ急激に見る頻度が多くなったバラエティ番組が一つ。
それは、主にフジテレビのCS(フジテレビONE)で放送されている「アイドリング!!!」。
正確に言うと「最近になって見るようになった」というわけではなく、「再び見るようになった」という感じです。

実は「アイドリング!!!」自体は、今年でなんと7年目に突入した、隠れた長寿番組。
スタートしたのは2006年からなのですが、初期の頃は結構見ていました。
理由としては、自分が野球好きであるため、ほぼ毎日見ていたCS「プロ野球ニュース」のちょうど後ぐらいにやっていたからというのが一つ。また、若手芸人のなかでは「孤高の芸人」といったイメージもあった(しかも解散してピンとなり、その色がさらに強くなった)バカリズムが、「まさかのアイドルとの絡み」というところに興味を持ったのも見始めたきっかけでした。
毎日見ていたというわけではありませんが、ふとチャンネルを合わせると、アイドル番組というより、ほぼ完全なバラエティに近いことをやっていることが多く、その違和感は、当初から異彩を放っていました。
また、バカリズムがアイドルたちを「○○ちゃん」といったように「下の名前+ちゃん」という形で呼ぶのではなく、「横山さん」「遠藤さん」といったように「苗字+さん」と、明らかに一線を引いた感じで話しているのも印象に残りました。
ただ、もともと小さい頃からアイドル自体にはあまり興味がなかった(子どもの頃はおニャン子クラブがまだ現役だった世代ではあるのですが)性分ということもあり、もの凄く熱心に見ていたわけでもなく、「プロ野球ニュース」とは時間帯が離れたこともあって(ここら辺は記憶が定かではありませんが)、徐々に見る機会は減っていきました。

その後もフジテレビONE(旧:フジテレビ739)は契約していたので、時折見ることもあり、「なんか相変わらず『らしい』企画をやってるな」と思ったりもしましたが、メンバーの入れ替わりもあって、ほとんど誰が誰だかわからず、そこまで注意して見てはいませんでした。また、ネットニュースなどで結構メンバーが卒業していることを知ったり(スタート時にいた「1期生」と呼ばれるメンバー9人中、現在も残っているのは3人のみ)、その卒業メンバーも含めて「アイドリング!!!」以外ではほとんど見ないこともあって、正直、ちょっとネガティブなイメージがあったりもしました。

そんななか、再び番組を見るようになったのは、この夏ぐらいに、朝日新聞の中面のテレビ欄に載っていたバカリズムのコラムを見て。
「ただのお笑い番組」というタイトルのついたそのコラムを抜粋すると…。

「僕はかれこれ7年近く『アイドリング!!!』という番組でMCをやらせて頂いています。
この番組は、一応アイドリング!!!というグループを一人前のアイドルに成長させるための番組なのですが、実際は全くアイドル番組ではありません。なぜならば正直なところ僕もスタッフもアイドルに疎いため、誰も彼女たちをかわいく見せようという気持ちがないからです。
もちろん愛情はありますし、視聴者の方に喜んでもらいたいとも思っています。ただ、それはあくまでも“お笑い番組”としてであり、毎回とにかくばかばかしい企画をやろうという気持ちで収録に臨んでいます。
(中略)
彼女たちは、かわいく映ることよりもウケるかウケないかを基準に考えます。極端な話、スベるくらいならブスだと思われた方がマシだとすら思っています(後略)」

これを読んだとき、もの凄く納得しました(^^)。
最近は、アイドルでもかなりバラエティ色の強いことをやらされたりしますが、「アイドリング!!!」の場合は、メインMC自体が(さらにはスタッフも)、「彼女たちをかわいく見せようという気持ちがない」と言い切っている状態。
この潔さが、数多のバラエティ番組が出ては消えしているなか、いまだに確固たる独自性をもっている理由だと感じました。

そうした作り手側の意向を意識して、改めて「アイドリング!!!」を見てみると、本当に濃い内容をやっていることがわかります。
「無茶ぶりの嵐」、「1ヶ月に1度はドッキリ」、「ガチで相撲対決して負けた方がマジで泣く」、「基本、アイドルにやらせないことしかやらせない」…、その他ほぼタブーが無い状態で毎回、番組は続いていきます。
また、もう一つこの番組で重要な要素が、編集していいところだけを見せる形ではなく、収録したものをほぼそのまま流す方式であるところ(CS放送の場合)。
そのため、冗長なところを後で編集するといった「甘え」が無いため、MC、出演者含め、非常に瞬発力が要求されるシチュエーション。さらに番組終了後の様子、また番組に入りきらなかった部分もオンデマンド配信されているため、息つく暇がありません。
また、見る側にとっても、テロップ全盛時代において、ほぼテロップの無い放送形態(地上波放送では、多少あるかもしれませんが)は、かなり新鮮に映ります。

現在、公式、非公式(?)含め、かなりの放映回がYouTubeに挙がっていますが、改めて見ると、その内容の濃さには圧倒されます(現在はメンバーが20人以上とかなり多くなっているので、ある程度どんな人がいるか名前と顔を一致させてから見た方が、より楽しめるとは思います)。
前述のとおり、自分はアイドル自体にほぼ興味がないため、他のアイドル番組のクオリティはあまりわからないのですが、現在放送されている「バラエティ番組」のなかでは、かなりの上位に位置する番組だと思います(ずっと見ている方は「今さら、何を…」と思うでしょうが(^^))。それこそ、最近ちょっと物足りないことも多い「ゴッドタン」を凌ぐ時もあったりもします。

ただし、当の「アイドリング!!!」自体は、売れているかどうかというと「?」という状況ではあります。
自分も、番組自体は時折見ていたものの、再度見直すまでは、スタート時にいたメンバーとほか数名しか名前がわからない状況(アイドリング!!!自体、1~2年に一度、メンバーが数人新加入しており、現在は25人)。
また、フジの番組含め「アイドリング!!!」以外の露出がかなり少ない(最近は、ちょこちょこと出てきてはいますが)ため、一般への浸透度は、そのキャリアと比べるとまだまだというのが現状だと思います。

そんななか、現在唯一といっていいブレイクしたメンバーが菊地亜美です。正直、そこまでバラエティ番組をチェックしているわけではないので、ブレイクした原因が、「アイドリング!!!」で培った反射神経が開花したからなのか、それとも元々本人が持っている素養なのか、はたまた事務所のプッシュによるものなのか(^^)はわかりません。
ただ、「アイドリング!!!」内で数々の試練を経験したことで、その血は本人のなかに脈々と流れているとは思います。
菊地亜美が「アイドリング!!!」を代表する存在かと言われると「ウ~ン」と感じる視聴者・ファンもいるとは思いますが、これだけ地上波の露出が多いなか、広告塔になり得る存在だとはいえるでしょう(本人も「アイドリング!!!」に愛着はあると思います)。

さきのバカリズムのコラムでも、その最後は「あ、最近TVでよく見かける菊地亜美さんはアイドリング!!!です。ね? わかるでしょ? そんな番組です。ただのお笑い番組『アイドリング!!!』、ぜひ一度見てみて下さい。おもしろいですよ」と締めくくられています。
なお、菊地亜美が一番「アイドリング!!!」らしさを全開にしたのは、NHKの「ケータイ大喜利」にて、「『なんてったって戦隊・アイドルレンジャー』今週のタイトルとは?」というお題に対して放った回答「忍び寄るAV業界」だと思います。

アイドリング!!!全体の話に戻ると、正直、総体的に決してビジュアル度が高いというグループではない、すごく面白いキャラなのだがビジュアルがちょっと…、その逆でファンでない人が見てもカワイイと思うかもしれないがそうしたメンバーはそこまでインパクトのある活躍は残せていない…など、ブレイクできる要素を見つけるのが難しかったりもします。
ただ、あの厳しい番組で鍛えられた力が一部の人にしか知られていないというのは、いかにももったいない。

まあ「アイドリング!!!」の場合、メンバーだけでなく、MCのバカリズム、そして構成スタッフ、開始当初からサブMCを務める2人のアナウンサー(森本アナ・斎藤アナ)、また結構な頻度で登場してくるADも含めた「パッケージとしての面白さ」という要素も強いので、他の番組で同じような面白さを発揮できるかとなると、また違ってくるかもしれません(それこそ「劇団アイドリング!!!」、もしくはバカリズムの薫陶を受けたアイドルたちという点では「アイドリズム」といった趣も)。

ただ、バカリズムも、大喜利のスペシャリスト、人見知り芸人といった側面だけでなく、徐々に自らが前に出る仕事も増えてきつつあります。また、有吉とはまた違う毒舌キャラぶりも、ちょこちょこ発揮し始めています。さらには一応、アイコンとして菊地亜美という存在もいる状況下、なんとか他のメンバーのポテンシャルにも光が当たってほしいところ。
その第一弾として、フジテレビには、次回の改編期に、地上波の放送時間をもう少し早い時間帯にしてほしいですね(深夜2時45分スタート(木曜日)というのはいかにも遅い。フラっとテレビつけてチャンネル合わせる層を取り込むことを考えると、せめて1時20分スタートぐらいに)。

いずれにせよ、「無理のないブレイク」を果たしたバカリズムの新しい側面(回しの巧さetc)が知られることを期待するとともに、「アイドリング!!!」もアイドルとしては異例の「7年目でのブレイク」を果たしてほしいところです。
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by momiageculture | 2013-10-11 01:20 | お笑い | Comments(0)

お笑い・音楽レビューを中心に続いています。細々と更新し、20年目。SPECIAL OTHERS、スカパラ、ゴッドタン、クイズ☆タレント名鑑 etc。/スポーツ系記事はこちら→http://agemomi.exblog.jp/


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