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ACIDMANの可能性(後編)

前回に引き続いて、ACIDMANのレビュー。

(Loop)
1st の「創」に比べると、全体的に突き抜けた感じ。「創」でやや内側に向いていたベクトルが、外側に解放された印象も受けます。以下、各曲についてのレビュー。

1.type-A
テンポのあるドラムから始まって、「ドドドドドーッ」とAメロに流れていく。
1曲目から感情むき出しに歌うオオキ。このアルバムの進んでいく方向を指している曲。
2.波、白く
穏やかなギターから始まるが、1曲目と同じくテンポのある曲。途中、少し抑えめなところもあるが、やはり何かに向けて感情をぶつけるような歌い方が印象的。
3.アイソトープ
少しトーンを落として、一度、歩みを落ち着けるような曲。
4.飛光
再び、スピード感のある曲。1・2よりさらに感情をぶつけたように歌う。メロディーは、このアルバムの中で、2番目に好きです。
5.Slow View (instrumental)
ギターの切ないフレーズが印象的。少し暗めの雲が動いている映像とあわせて聴くと合う(というか、PVもそんな映像だった)。
6.リピート
5を受ける形で、感情を抑えながら進行する曲。
7.16185-0(instrumental)
打ち込みっぽい音で始まり、穏やかに進行するインストゥルメンタル。5よりは、明るい感じ。
8.0 (オー)
7の最後に続く形で始まる。これも、ミドルより少しスローな曲。個人的には、この前3曲もスロー気味、しかも6分以上もあるので、少し中だるみな感じがした。
9.swayed
ドラムから始まり、その同じリズムが曲中ずっと続く。歌っている部分が少なく、半分インストゥルメンタルのような曲だが、個人的には一番好きな曲。穏やかさと激しさとのバランスが素晴らしい。
10.ドライドアウト
1・2・4に、少しJ-POPの要素を足したような曲。ということで少しライト。
11.今、透明か
10よりテンポを落とすが、やはり感情を前に出した歌。シングルカットもされているが、アルバムを引き立たせるというより、どちらかというと、このアルバムも締めに入っているなと思わせるような曲。
12.turn around
「おわりに」という感じのスローな曲。「終焉」という印象を与える。

と、ざっと見てきましたが、前作と同じく、前半→中盤→後半という流れがハッキリ出来ているアルバムだと思います。
なお、1stもそうですが、アルバムを通じて印象的なのがベースの音。通常の音に比べて、かなり太く聞こえます(音楽的にどうなのかはわかりませんが)。曲全体を通して、地味ながらもすごく主張していて、実はACIDMANの曲の醸し出す雰囲気を支えている屋台骨かもしれません。

(equal)
さて、3rd ですが、実はまだこのアルバムは全体を通して聞き込んでいません(^^)。
ただ、オープニングの 1.0=ALL の始まり方は、3枚の中で一番格好いい。はじめHMVの視聴で聴いた時は、あまりの格好良さに「すげー」と言いそうになりました。
続く 2.FREAK OUT は、これまでのACIDMANのアップテンポの曲と同じく、Aメロは抑えめで始まり、サビで感情を爆発させるような曲です。ということで、ハズレではないのですが、正直今までと同じく「○○○」だったのが、個人的には残念でした(その○○○については後述します)。
その後、曲の始めは静かですがサビでは激しくなる 3.降る秋、それと同じようにサビで爆発するのかと思いきやそのまま進行する 4.イコール の後は、比較的おとなしめの曲が続きます(部分部分激しいフレーズはありますが)。
曲名だけ紹介すると、 5.水写 6.彩-SAI-(前編) 7.彩-SAI-(後編) 8.暁を残して 9.colors of the wind 10.migration 1064(←正確には10の64乗の表記) 11.cps 12.廻る、巡る、その核へ  と続きます。
正直、個人的な印象としては、フレーズにアクセントがある曲が少なく、少し冗長な曲もあるので、中盤から後半は物足りなく思いました。
ということで、決して悪いアルバムではないと思うのですが、ミドルからアップテンポの曲が好きな自分としては、「『Loop』ほどは…」という印象でした。(ただ、このアルバムの世界観が好きだという人もいると思います)。

さて、前述の「○○○」ですが、これは個人的に、もう一つACIDMANで「ここが変われば…」と思っている部分です。
それは、「サビで激しく歌ったときのメロディーとの微妙なズレ」です。もちろん、必ずしも上手く歌わなければいけないとは思わないですし、それはそれでヴォーカルの味と言われればそうなのですが、もう少しメロディーラインに乗せて歌ってほしいなあ、と思うところが間々あります。
賛否両論あると思いますが、「声が出きってない」というところが、曲の良さを半減させている気もします。無理をしないで歌っているときの声は非常にいいので、声を張り上げて歌うときに、もう少し音域が広がれば、より曲の良さが広がっていくのではないかと思うのですが…。

自分たちにしか出せない音を作る、ということに関しては、2nd、3rdでもう飛び越えてる感があるので、この点を強化していけば、より「ACIDMAN」の音に夢中になる人が増えるのではないか、と期待しています。


ACIDMAN関連ブログ
Commented by crue_crue at 2005-03-01 05:45 x
こんにちは。
ACIDMANに関する記事。興味深く拝見しました。

今は新曲制作中のようですので、
次はどんな一手を打ってくるのか、楽しみです。
Commented by momiageculture at 2005-03-02 01:22
>crue_crue さん
書き込み、ありがとうございます。
新曲制作中ということは、
夏ぐらいにマキシシングルを出して、秋にアルバムというパターンですかね。
となるとまだ時間があるので、機会があれば、アルバム未収録のC/W曲なども聴いてみたいと思います。
またよろしくお願いします。

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by momiageculture | 2005-02-24 02:10 | 音楽 | Comments(2)

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