もったいないなあ……。
2006年 11月 14日
「元『成子坂』の村田渚さん、急死。」
の文字が。
拙ブログでは、何回か「鼻エンジン」を紹介しましたが、まさかこんな結末になろうとは……。
相方の松丘さんのショックはいかばかりかと思いますが、これから徐々に中堅芸人コンビとして面白くなる可能性を秘めていただけに、本当に残念です。
フォークダンスの解散自体は、もう7年も前。
その後もピン芸人としてネタをやり続ける姿は、「お笑いが好きなんだ」ということを感じさせてくれました。ただ、本来の役割ではないボケの役回りも演じる姿に、どことなく「ムリしている感」も感じたのも事実。
年齢的にも微妙な立ち位置になっていく(しかも所属事務所的にも安定していた状態とはいえなかたようですし)なか、昨年再びコンビを結成した(しかも、個人的には力があると思っている元坂道コロコロの松丘と)ことを知ったときは、ちょっとホッとしました。
「フォークダンスDE成子坂」をはじめて見たのは、たしかボキャブラに出る2、3年ぐらい前、TBSで不定期でやっていたバラエティ番組です。
今では考えられませんが、その頃純粋にネタを見られる番組といえば、NHKあるいはTBSの深夜に不定期でやる30分か1時間ぐらいの番組ぐらい(しかも、月に1度とか隔月といった割合)。
TBSの番組だと、オープニングがデンジャラスで、他にピーピングトムとかが出て、最後はホンジャマカ、といったようなラインナップでした。
そんななか、出てきた変てこりんな名前のコンビ。
「何だこの名前?」と思ったのもつかの間、想像のつかないボケを顔色一つ変えずにシラッと言う桶田の不思議な面白さにすっかりハマってしまいました。
その桶田の相手の出鼻をくじき続けるボケを際立たせていたのが、村田の善人キャラ。「いかにも困っている」その表情は、フォークダンスの隠し味だったと思います。
これは、同じぐらいに活躍(そして解散)したU-turnなどにもいえるのですが、ボケがちょっと異能な部分を持っている場合、相方が普通(あるいは一般人っぽい)であればあるほどその異能さが生きてくると思います(爆笑問題もいい例。土田はピンでもブレイクしたじゃないかという意見もあるかもしれませんが、個人的にはU-turnが更に面白くなる姿が見たかった)。
話は戻って、今回、「鼻エンジン」で新たに相方となった松丘は、桶田と同じく、話をスカすことを持ち味としている芸人なので、結構、村田と合うのではと期待していました。
何回かネタを見た感じでは、2人の持ち味がいい感じで出つつあるけど、まだネタの方向性を模索している途中かなという印象。今後、ネタをやり続けていくなかで、段々と、他の若手芸人には真似できない(^^)「鼻エンジン」っぽさを確立していけるのではないか、と期待していたのですが……。
そうした気持ちもあって、今回のことを知ってまず感じたのは、「悲しい」という気持ちよりも、表題のような感情でした。
蛇足ですが、その死を知って「もったいなあ」と感じたのは、(元XJAPANの)hide以来です(hideの場合は、ディープなロックと歌謡曲的テイストを融合できる稀有なミュージシャンとして)。
相方の松丘氏、あるいは元相方の桶田氏には、「村田さんの遺志を次いで……」なんて、通り一遍のことを言うつもりはありません。
ただ、当時活躍していたメンバーが集まって、合同追悼ライブとかやってくれないかなあ、なんて思ったりしますね(「ボキャブラメンバー」とかいう小さなくくりではなく、当時活躍していたすべてのメンバーが集まるかたちで。アンラッキー後藤(引退)とかも出てくれるとうれしい)。
とにもかくにも、志半ばとなってしまった、村田さんのご冥福をお祈りします。
ああ~、吉本色の強い「M-1グランプリ」の決勝に、ポコッと(^^)、鼻エンジンが出てくるのを見たかったなあ……。
コメントありがとうございます。
以前活躍した芸人を、今の芸人と比べて「あの芸人はよかった……」と振り返るのはあまり好きではないですが、それでもフォークダンスはもう一度見たいコンビでしたね。
以前の投稿でも書いたのですが、30代半ばという年齢にもかかわらずネタで勝負しようとしている、事務所的にバックアップが大きいわけじゃない、そして華がない(^^)、という意味で、鼻エンジンは応援していたのですが残念でした。
なお、「死」ということは起きてほしくなかったことではありますが、芸人さんを送る姿勢として、変に悲しむよりも、「もったいないなあ……」と思ってもらった方が、芸人冥利なのかなあと勝手に思って、今回の表題にしました。