お笑いホープ大賞 準決勝 part 2
2006年 06月 23日
前回に引き続いて、お笑いホープ大賞の準決勝の感想です。Bブロックを駆け足で。
(yucky☆)
女性のピン芸人。童話やアニメの納得行かないところに突っ込んでいくというネタ(格好はバレーボールのユニフォーム)。
まだ、演じるのにいっぱいいっぱいという感じもしたが、テレビで見た限り、客席の反応は意外と温かいように感じられた。
以前に比べて、手段こそそれぞれ違うものの、「みんなが知っているものやTV番組の矛盾点を毒舌で指摘していく」というピン芸人が増えたように思う(意外とその始祖にあたるのは、アンラッキー後藤とかだったりして)。
1回のネタの中で数は結構言うので、いくつかは面白いものがあったりするのだが、これだけ色々な芸人がやっていると、ちょっとこうしたパターン自体食傷ぎみなところもある。
指摘自体の面白さだけでなく、その芸人ならではのツッコミ方など、他の要素がないと、なかなか笑えないかも。あと、その時の客層によって、扱うネタとかも問われると思う。
(東京03)
会社をクビになったサラリーマンが劇団の面接を受けるというネタ(サラリーマン:角田、劇団座長:飯塚、サラリーマンを連れてきた劇団員:豊本)。
このネタは何度か見たことがあるが、芝居の方に熱が入りすぎてネタ自体は薄いかなと思えるネタも間々ある東京03の中では、ちゃんと流れができているネタだと思う。
典型的なツッコミの飯塚(ハイトーンボイス・短気)に、芝居がかったボケをする角田(扱いが面倒くさい中年っぽさも感じさせる)+飄々とボケる(場合によってはボケてるという認識さえ感じさせない)豊本という構成の東京03。
「種類の違うボケ2人に、ツッコミが段々あきれていく」という感じは、昔のネプチューンに似ているところもある(こちらは女性人気はあまりありそうに見えないが(^^))。
個人的には、元々組んでいたアルファルファ・プラスドライバー共に好きなコンビ(トリオ)だったが、東京03結成当初は、この3人という構成にややもすると、少し無理をしてネタをはめ込んでいる感じもした。
ただキャリアがあることもあって、結成1年目(2003年)より2年目、2年目より3年目と、徐々に、ネタに各々のキャラがフィットしつつあると思う。
ネタの構成のうえで一番の難しさ(見る側からの視点ですが)は、角田・豊本というタイプの違う2つのボケの比重と絡ませ方だと思うが、そのバランスがとれたネタが多くなってきた。今後も、さらに多くの定番ネタを確立していくことを期待。
(茶井木竜象)
紹介では、名前の前に「ラブスペシャリスト」と表記されていた。容姿は、高橋幸宏の髪をおった立たせた感じ。着ている服には、文字がベタベタ書いてあった(「恋愛LOVE」とか「母子家庭」とか)。
ネタは、「次元大介に男のダンディズムを学べ」(ex.『やっこさん、おいでなすったぜ』と言え!)。
初めて見た人が多かったと思うが、客席の反応はよかったみたい。「摩天楼は漢字で書け!」は面白かった。後半は、次元から離れて「○○は△△しろ」の連発。
驚き(個人的には)の決勝進出。
(THE GEESE)
触ったものを口に出してしまう癖を持つ相手との商談というネタ。
ネタを見たのは2度目(前回は「おびんつる様」)だったが、うまくまとめられてると思った。
ネタのまとまりに加えて、一見真摯で普通の人に見える尾関が、サラリとおかしな事を言うところが、このコンビのポイント(尾関は、醸し出す雰囲気も含めて少し伊藤英明に似ている気がするが褒めすぎか?)。
残念ながら今回は決勝には進出できなかったが、今後に期待のコンビ。
(三拍子)
若手の中では、キャリア的に上位に位置するコンビ。
以前は、何か「ハイ、ボケですよ」「漫才やってますよ」(うまく言葉で説明できないのですが)という感じがして好きではなかったのだが、最近は、テンポが良くなってきたからか、掛け合いのバリエーションが増えたからか、面白みが増してきた(今回のネタでも、合間に高倉がボソッと「僕、死にたいんですけど」と挟み久保が困惑するというのを挟み込んでいた)。
高倉がボケたくてしょうがない(ように見える)キャラなので、(どのコンビにも当てはまることだが)ツッコミの久保の応対の仕方がポイント。
太ったことにより(?)善人キャラが増した感のある久保が、高倉に「どうやって振り回されるか」が面白さを増すためのカギとなると思う。
まだ素の表情も交えてつっこんでいる久保だが、もっと意図的に善人キャラになって、振り回されまくってもいいかもしれない。
(どきどきキャンプ)
岸は「R-1」で見たが、「どきどきキャンプ」としては初見。
ネタは「女風呂のぞき隊」(^^)。
ツッコミの岸が、かなり濃いキャラ(ちょっとオタクなビジュアル)なので、相方はどんな感じなんだろうと思っていたが、こちらもちょっと弱弱しい感じ。
ネタの方は、ビジュアルといい感じでかみ合って面白かった。オンエアバトルなどでは苦戦が続いているみたいだが、岸の27歳とは思えないビジュアル(そういえば昔「雷波少年」でチラシの企画をやっていた鮒子にも似ている)を生かして、さらに面白いコントを見せてもらいたい。
(ザ・パンチ)
その名のとおりパンチパーマのパンチ浜崎と、ノーパンチ松尾のコンビ。
そのパンチ浜崎。黒目がちな顔にパンチパーマという容姿もインパクトあるが、紫の衣装(しかもネックレスつき)というのもスゴい(^^)(どう見ても、カタギの職業の人には見えない)。
パンチ浜崎の全くその場の空気と関係ないボケに対して、松尾が「お願い、死んで~」と懇願してネタ始まり。今回の設定は、「山小屋で頼りになる男」。
「その場の雰囲気や設定をまったく考えないマイペースっぷり」と、「ネタのほとんどの時間、顔をくしゃくしゃにしての哀願」という組み合わせは、今までなかったタイプかも。
パンチ浜崎のキャラは本当に貴重な存在だと思うので、今後もっともっとそのキャラを生かしたネタを見せてほしい。
続きは、また明日以降(準決勝 part 3)書きます。