『笑けずり』ファイナル レビュー
2015年 09月 30日
スタジオには、中川家、笑い飯、千鳥、バイきんぐの面々。ただ、実際の審査はしない立場。
事前の告知どおり、視聴者審査のみで決める形式。
尾上松也も、京都から中継で登場。そして、観覧席には、おのののか復活。
そして、若干予想できた(^^)、いらんいらんも登場。
トップバッターは、抽選で決めたとはいえ、こちらも何となく出番トップな気がした、ぺこぱ。
ファイナルということもあり、ネタ前の紹介VTRも長め。以前やっていた模様の、HIPHOPキャラ、教師キャラという、試行錯誤っぷりも紹介される(^^)。
前回短めだった松陰寺の登場シーンは、今回は長いバージョンに戻ったが、できたら、合宿のときと同じ、(客席から向かって)左→右の順番でやってほしかった気も(ルーティンの動きの印象って結構大事で、ちょっとぐらいの違いでも、人によっては若干の違和感を感じてしまう)。パターンも、できれば「ROSIER」で登場してほしかったが、著作権とかの関係もあったか。
肝心の(^^)ネタは、桃太郎。
今回は、合宿のときと違い、ネタを考える時間もあったと思われ、いろいろなボケ・ツッコミのパターンを考えてきたという印象。「そうきたか」と思わせるボケもあったが、それが今一つ、笑いにつながっていかなかった感も。
全体を通して、やはりまだ、シュウペイの「台本を読んでいる感」が拭えない。覚えることが先んじてしまい、それを自然なやりとりに見せるところまでは行っていない印象。また、途中のやりとりで「松陰寺さんのマネなんて…」というフレーズがあったが、ネタ中は「さん」づけではなく、対等な関係設定でいいのではとも思った。松陰寺の方も、ちょっと緊張で、間が空いてしまったところがあった。
結局、ネタ1本目でけずられてしまったが、その後、たびたびコメントを振られた場面では、ちゃんと「松陰寺」の立ち振る舞い。
少し思ったのは、例えば、別の人が書いたネタで二人がやってみたらどうなるのだろうということ(そうしたケースもあるのかもしれないが)。松陰寺のキャラは言わずもがなとして、シュウペイの「笑けずり」合宿で時折見せた、松陰寺まかせの「あんまり考えてないっぷり」も、出し方によっては、笑いを増幅させる力として使える可能性を感じた。
また、さきに挙げた「自然にやってる」感を上げることも大切ではあるが、変に「漫才」をしようと、漫才の型にはまったキャッチボールをするのではなく、より自然な会話っぽいやりとりにした方が、見ている側も、より自然に笑えるかもしれない。
2番手登場は、ザ・パーフェクト。
これまでネタの最初にずっとやっていた「ザ・パーフェクト」で使っている文字によるボケはせず、新たなボケパターン。これも、「笑けずり」による「進化」と言えるか。
テーマは「海カフェ」。前々回・前回に続き、飲食店系のネタ、というところに、若干の不安と不満を感じたが、その後のやりとりは、よく考えられてることがわかりつつも、それを自然に見せる、巧さを見せる。
「かたつむり」のくだりは、最初ちょっとついてけなかったが、わらかなくても、ピンボケたろうの必死さで笑いに持って行ける内容ではあった。
「お前、めっちゃ歯出てるな」の部分は、「はーげてるな」に聞こえてしまい(自分の耳が悪いのか(^^))、一瞬、通り過ごしてしまった。
その後の話の急展開は、いつものパターンと同じだったが、合宿でのネタに比べると、この後半部分でも、ボケフレーズの笑わせ力は高かったのではないかと思う。
今まで弱かった最後の締めのところに「指回し体操」を挟み込んできたのも、「笑けずり」合宿の成果か。
千鳥・大悟が、普通に面白そうに歯を見せて笑っていたのが印象的だった。
3番目、ラストは、Aマッソ。
今回は、ちゃんと、つかみをやった(^^)(笑いの量的には多くなかったが、悪くないつかみだっと思う)。
しょっぱなの、村上の夢のところは、あまり笑いは起きてなかったが、その後の、いい伏線にはなったのでは。
で、加納が放り込んできた「フォークリフト」からは、もう完全にAマッソワールド。
若干ざわざわっとした感じになったが(^^)、それは、期待が混じったざわざわ。
で、「車検がないからや!」の切り返しで、それが確信に変わる。合間合間にはさむ「私立探偵」「青いヤツから」「かつみ・さゆりに聞けや!」「この桂文珍の…、ああ、おもんない!」といったフレーズも、かなり考えられている言葉なのだけれど、あざとさを感じず素直に笑えるところに、ネタ力を感じた。
最後は、(ネタの内容的にそうした笑いを誘うものただったので)失笑でのネタ終わりとなったが、Aマッソの底力を存分に見せつけた。
大悟も、ザ・パーフェクトのときに引き続き、本気の笑み。
細かいところを言うと、立場逆転のタイミング(加納・村上がそれぞれキレるタイミング)が、ちょっと突然過ぎるように感じられた(これはいつものことではあるが。例えば、もう一拍おくだけでもずいぶん違うかも)のと、2か所ぐらい、村上のセリフのタイミングが遅れてしまったところはあった。
ただ、加納の奇天烈さは相変わらずとして(^^)、村上の芸人としての演技力も感じさせられた4分間。一つ一つの動きが、完全にコメディアンのそれ。加納ワールドを画として表現するのに、かなり重要な役割を果たしていることを再認識。
なお、余談だが、以前書いたレビューで「村上が誰かに似ている気がする」と書いたのだが、この前、知り合いの人とAマッソについて話していて、出てきたワードが「水前寺清子」(^^)。全く考えてなかった角度だったが、確かに似てないこともない?
3組のネタが終わったところで、投票。
ここで、1組が脱落。
けずられたのは……、やはり、ぺこぱ。
今回は、そこまで悲しくない(?)、木の札返し。
2回目のネタは、Aマッソが後攻、ザ・パーフェクトが先攻と決まって、2組は、ネタ準備へ。
その誘導の喋りで、本日何回めかの噛みをした青井アナに、足立梨花がボソッと「あの人が一番緊張してんじゃないか」と言ったようで、これを有働アナが拾うファインプレー。
さらに、有働アナに「すでに三回噛んでる」と畳み掛けられ、たじろぎまくりの青井アナ(義姉は山岸舞彩。祖父は丸井創業者。たじろいでいる姿は、若干、堀潤とかぶる)。
なお、2本目のネタ前に、ペンションオーナーの貫井さんからの差し入れ。持ってきたのは、こゝろ。こちらも、いらんいらんと同じく、「やっぱり登場してきたか」感(^^)。けずった当事者としてコメントを振られた小峠が、「うるせえ、このやろう!」と、100点満点の回答。
西田のコメントを待つまでもなく、「どう考えても、ネタ前のスムージーはミスマッチだろう」と、ほとんどの視聴者が思ったであろうなか、いざ2本目。
先攻、ザ・パーフェクト。
つかみで、1本目と同じく、「ザ・パーフェクト」の文字ネタは使わず。
今回のネタは、バスガイド。今回も、1本目と同じく「○○、やりたいんだよねえ」という入りで始めたが、できるならば、このコントインの入りのところで、もう1クッション欲しいところ。
「京都=TODAY都」のボケは、自分の勘が悪いのか、すぐには気づけなかった。
出発地がコスタリカの設定、ボタン押すと「次、止まります」、といったあたりは面白かったが、1本目よりは、若干予想がついてしまうボケが多かったか。後半の、カズダンスのくだりも、もう少しボケが欲しかった。
それでも、そこまで笑いを切らさいのは、ピンボケの「努力は認めてください…」、「みなさん、お帰りなさい」といった、ツッコミフレーズ。見ている側を飽きさせないという意味で、やはり、このシステムは、かなりの強み。
途中、笑いを起こすポイントではなかったが、やりとりの合間に、「(その扇風機)1個ぐらい車内にほしい…」といったツッコミには、ちょっとした合間を逃さない、ザ・パーフェクトの姿勢を感じた。
最後は、ピンボケが、ぐるぐるまわって終了。
後攻、Aマッソ。
今回も、つかみは、しっかりやる(^^)。
で、ネタ本題で選んだ言葉は「スタンプラリー」。正直「……スタンプラリーや!」と聞いたときは、Aマッソにしては、マイルド過ぎるお題のように思えてしまい、そこからの広がりに、かなり不安を感じた。
が、そこからの展開は、マイルドさのかけら、まったく無し。「アイデア・シューマッハ」など、つなぎのちょっとしたフレーズから、「逆だけがアートちゃうぞ!」「GHQに言われた」など、このコンビしか思いつかないようなフレーズがポンポン飛び出し、さらには、客席に背を向け、審査員の中川家らに向かってポージング(といっても「起こり得る!」の持ち上げポーズだが)など、動きボケもかなり差し込む構成。
見終わったときは、「独創力でAマッソかな…」と思ったが、改めて見直してみると、後半は、ちょっと笑わせるフレーズが少なかった印象。野球のくだりなどはセリフが聞き取りづらかったことなどもあって、設定は面白いんだけど、「伝わりづらさ」によって笑いを取り逃がしたところもあったかもしれない。
投票結果で出された数字は、10000票 vs 4000票。
この差を見たときは、妹尾と同じく、Aマッソが優勝かと思ったが、結果は、ザ・パーフェクトが優勝!
テロップには、「初代」笑けずりチャンピオンとの文字(ということは、第2シーズンも……)。
最後は、ステージ上に「笑けずり」メンバーが勢ぞろい。けずられた芸人とは思えない、アルドルフ・松下の笑顔と、天然ピエロ・羽柴の「テレビ映ってる?」感が印象的。
ということで、最終回をざっと振り返ってみましたが、「笑けずり」全体を見終えての感想などは、また次回書きたいと思います。