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the band apart の10曲

かなり久々となる、音楽ネタ(昨年、「my music soup」を書いて以来)。

今回は、the band apart

「音楽を聴く」にあたっては、多かれ少なかれ、自分のなかでの「流行り」というものがあると思いますが、そうしたなかで、10年以上、ほぼコンスタントに聴き続けている数少ないバンド。

1stアルバム『K.AND HIS BIKE』・2nd 『quake and brook』の勢いのある音、その後の3rd 『alfred and cavity』・4th 『Adze of penguin』の洗練さを増した音、そして日本語詞への転換。
どの時代の曲も好きですが、特にこのバンドのポテンシャルを感じたのは、日本語詞への転換以降。
日本語詞へ変えることによって、有り体に言えば、「格好良さ」が半減するバンドも見られるなか、音楽としての「格好良さ」を全く失わずに曲を成立させているその様には、改めて、バンドとしての幹がしっかりしていることを感じさせられました。

そんな、the band apartの100を超える曲のなかから、現時点でのベストな10曲を。


1. 「I Love You Wasted Junks & Greens」 (4th 『Adze Of Penguin』収録)

バンアパの音の疾走感を最も表しているといってもいい曲。もう何度聴いたかというぐらい聴きまくった曲。軽いながらザクッとしたギターの入り、そしてこれまた軽いタッチでのドラムの入り、Aメロ→Bメロ→サビの流れの軽さ、さらに間奏をはさまず2番に入る構成、そして一旦スローになってからの最後の畳み掛けと、ここまで「音楽」「曲」として完璧な曲が作れるのかと感嘆してしまうほど、ほぼ完璧な曲。
バンアパの「熱いんだけど軽い」という部分を一番表現しているといってもいい曲。


2. 「beautiful vanity」 (3rd 『alfred and cavity』収録)

「I Love You Wasted Junks & Greens」ほど、わかりやすい疾走感ではないが、こちらも、とどころひねたメロディーながら、「軽いけど実は熱い」曲。それが牙をむくのが、2分16秒以降の、各楽器一体となったメロディーの畳み掛け。最後の終わり方が若干終わりっぽくないのも、ある意味バンアパらしい。その終わり方をもっとひねさせたのが、このアルバムの最後に入っている「KATANA」だが(^^)。


3. 「coral reef」 (2nd 『quake and brook』収録)

2ndアルバムの『quake and brook』の1曲目。爽やかさとメロコア度合が、絶妙にマッチした曲。音的にはギターがフューチャーされる曲かもしれないが、合間合間のドラムの軽さが屋台骨として支えている。もちろん、原のうねるベースも、荒井のジャズっぽい歌声もだが(^^)。


4. 「Moonlight Stepper」 (4th 『Adze Of Penguin』収録)

1~3で速めの曲を挙げたので、ここでミドルテンポ(よりは少し速めかもしれないが)の曲を。曲名に「Moonlight」と入っているが、そのギターの音色から感じる印象は「夏」。特に、歌が終わってからの、曲終わりの演奏部分は、夏を感じさせながらも、「明るい、もの悲しさ」も感じさせられる。どちらかというと、この、歌が終わって以降の1分30秒の演奏部分が曲のメインと言ってもいいほど。秀逸な曲終わりのメロディーと各楽器の音が重なっていく様はたまらない。


5. 「Fool Proof」
(1st 『K. AND HIS BIKE』収録)

1stアルバムでありながら、他のバンドと比べても出色の出来である『K. AND HIS BIKE』ではあるが、その印象をさらに深めさせているのは、この曲かもしれない。ヨーロッパの昼下がりのカフェかのような(^^)、アコースティックでの女性ボーカルで始まるが、それが終わってからは、そこからはメロコアっぽい曲調に。なお、前記で「ヨーロッパの昼下がりのカフェ」と書いたが、ボサノバっぽい印象も受ける。1stから、単なるロックというより、かなりいろいろな要素を、それもこれみよがしではなく、半ば隠し味的に入れている所が、バンアパの素晴らしさ、かつ魅力だと思う。
なお、この曲は、1st シングルとしてもリリースされているが、こちらは、同じくアコースティックながら、荒井がメインのヴォーカルで始まり、曲調が変わるところもアルバムに収録されている形とは違う。こちらはこちらでストレート感があるという意味での良さは感じるが、やはりアルバムバージョンの方が、曲の構成としては洗練されている。


6. 「ノード」 (6th 『街の14景』収録) 【MV

この曲が入ったアルバム『街の14景』の前にリリースした、4曲入りシングル『2012 e.p.』から、日本語詞への転換を行ったthe band apartだったが、全編日本語詞になってからは初のアルバム。その2曲目であるこの曲には、他のアーティストの曲を含めても、久々に衝撃を受けた。
この曲に関しては、日本語詞であることにそこまで意味はないようにも思う(深く歌詞を見れば、また新たな感情が湧きあがってくるかもしれないが)が、とにかく、歌声もひっくるめて、各楽器の音の粒が集まりあって、一つの濃い音の流れを作っている感じ。とにもかくにも、曲の格好良さとしては、indigo jam unitの「Funkier Than A Mosquito's Tweeter(Feat. Alicia Saldenha)」かこの曲かというほど、「格好良さ」という点では隙の無い曲。
1st・2ndアルバムを聴いたときも衝撃を受けたが、そこから10年経ち、再び同じバンドから衝撃を受けることは、そうそうない。


7. 「銀猫街1丁目」 (7thシングル『2012 e.p.』収録) 【MV

前述した、日本語詞となって初めての音源『2012 e.p.』の2曲目。
「バンアパ」というと英語詞、という印象が刷り込まれた耳にとっては、まだ日本語詞になっての最初の数曲は、ちょっと違和感を感じるところもあったが、この曲ははじめからスッと入ってきた。実際はどうかはわからないが、日本語詞に合わせて曲を作ったんじゃないかというぐらい、曲に歌詞がなじんでいる。
日本語詞になって、再確認させられたのが、荒井の歌声の力。音楽自体は変わっていないところで、歌詞が劇的に変わったにもかかわらず、それが耳になじむのは、荒井のメロディーに乗せたような歌い方によるところが大きいと思う(なお、ソロアルバムでの歌い方は、またちょっと違うが)。
いずれにせよ、「I Love You Wasted Junks & Greens」とは、また違った感じの疾走感が味わえる曲。


8. 「forget me not pt. 2」 (7thシングル『2012 e.p.』収録)

「銀猫街1丁目」と同じく『2012 e.p.』に収録されている曲。2nd 『quake and brook』に収録されている「forget me not」のアコースティックバージョンという位置づけの曲だが、受ける印象は原曲とはまったく違う。バンアパのなかで一番落ち着ける曲といってもいい曲。疲れているときに聴くには打ってつけの曲(^^)。バンアパの引き出しの多さを再確認させられる曲でもある。


9. 「disappearing man」 (1stシングル『Fool Proof』収録)

最後の2曲は、少しマイナーなところからの選曲。1曲目は、1stシングル『Fool Proof』の2曲目に収録されている、この曲。サビこそメロコア調ではあるが、最初のAメロの入り、一番最後のサビ前のメロディーなどは、ロック以外のジャンルの感じも垣間見られ、1stシングルながら、すでに他のロックバンドは一線を画している様がうかがえる。
同じく初期のシングルからという意味では、「August Green」(2ndシングル『Eric.W』収録)と迷ったが、今回はこちらを挙げた。


10. 「プリテンダー」 (8thシングル『TOKUMARU e.p.』収録)

日本語詞になってから出されたシングル『TOKUMARU e.p.』の3曲目に収録されている曲。ライブ会場、オフィシャル通販限定CDであるが、この曲と、同シングルの1曲目「クレメンタイン」は、日本語詞になってからの曲のなかでも出色の出来。「クレメンタイン」がちょっと童話的な歌詞なのに対し、こちらは現実の世界を感じさせる歌詞。バンアパには珍しく、他のJ-POPの曲にありそうな要素も感じさせるものの、それでも、ギターの鳴り具合、ドラムの軽やかさを聴けば、紛れもなくバンアパ(^^)。歌詞が優しいというわけではないが、曲から受ける印象としては、バンアパのなかでは、一、二を争う優しい曲という印象。


以上、あくまでも、現時点での(強調)、バンアパ、ベスト10でした。
他に、10曲に入れるかどうか迷った曲は、
「ピルグリム」(7th アルバム『謎のオープンワールド』収録。ちょっとフュージョンっぽい印象も受ける曲、【MV】)、
「headlight is destroyed」(『alfred and cavity』収録)、
「夜の向こうへ」
(『街の14景』収録)、
「photograph」
(5thアルバム『Scent of August』収録、【MV】)、
そして、
「FUEL」あたり(『K. AND HIS BIKE』収録)。
ちなみに、自分のipodにバンアパのプレイリストも作っていますが、どうしても絞りきれず、30曲ぐらいのボリュームになってしまっています(^^)。

あと、バンアパと言えば、MVも格好いいものが多い(公式のものは、上記にリンクも載せましたが)。特に、「ノード」のMVは、曲の魅力を最大限に引き出していると思います。
前述の「ピルグリム」が収録されている、最新のアルバム『謎のオープンワールド』は、前作『街の14景』ともまた違うテイストのアルバム。
また、昨年発売された、ボーカル荒井岳史のソロアルバム(これまで『sparklers』(ミニアルバム)、『beside』の2枚をリリース)には、バンアパとはまた違う骨太感を感じましたが、演奏力、発想の柔軟さなど、音楽へのこだわりにおいて、日本のなかでも稀有なものを持つバンドだけに、今後も、新たな驚きを受けることを期待しつつ、聴き続けていきたいと思います。


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by momiageculture | 2015-08-17 03:09 | 音楽 | Comments(0)

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