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一つの理想形に

先週土曜、フジテレビで「THE MANZAI 2011 ~年間最強漫才師決定トーナメント~」が放送されました。
自分は当日リアルタイムでは見られなかったのですが、録画しておき、日曜の朝起きてすぐ(^^)見ました。

見終わった感想を一言でいえば「いい大会だった」。
最初に言っておくと、この大会の一番語られるべきは「パンクブーブーとナイツのどちらが面白かったか」ではなくて、「Hi-Hiやテンダラーが脚光を浴びた大会」という部分だったと思います。
それぐらい、各コンビがその面白さをかなりの確率で出せた大会。ちょっとネタが弱かった学天即、「内容」よりもできれば「結果(せめてグループ突破)」が欲しかった磁石とハマカーン以外は、ある程度以上の爪痕は残せたのではないでしょうか。

正直、番組開始時、ダイノジが出演していたあたりは、まだふわふわ感が拭えない印象もありました。
さらに、最初の2組が「はまる人には…」的な要素の多い囲碁将棋と、夏の深夜特番ではまだ面白さがわからなかったチキチキジョニーだったので、「大丈夫かな…」と心配しながら見ていましたが、囲碁将棋は、予想よりちょっと上、チキチキジョニーは想像以上の出来。
その後、超接戦となったB組、グループ突破とか関係なくさすがの存在感を見せてくれた博多華丸・大吉、初見の人には強烈な印象を残したであろうウーマンラッシュアワー(グループ突破してもおかしくない出来だった)、そして爆笑問題の途中出演(フジテレビならこれぐらいやるかもという予感はちょっとありましたが)など、優勝がどうとか関係ないぐらい、お笑い大会として楽しませてもらいました。

一度見たあと、また何度か部分的に見返していますが、本当に何本でもレビューが書けるぐらい、ネタや演者が生きた大会。
それを生み出した一番の理由は、決勝進出15組の選び方だったと思います。
本戦サーキットを現場で見たわけではありませんが、8月に放送され、認定漫才師に選ばれたほぼ全組が短いネタを披露した前番組「THE MANZAI真夏のネタ連発SP」を見た限りでは、その後の50組→15組の絞り込み方に「純粋に面白いネタを選んだ」という潔さを感じました。
それを一番表していたのがHi-Hiであり、しかもグループ突破という予想外(^^)の結果までも。
さらに、正直「今さら感」が全く無いとはいえなかったテンダラー(元・$10)も、オーバー35(白川にいたってはover40)にして、必殺仕事人のテーマ曲を7回繰り出すという荒技でグループ突破に手をかけるところまで。
その他、エルシャラカーニ、そしてM-1ではことごとく決勝に行けなかった磁石ハマカーンといったところを評価して決勝に選んだ本戦サーキットの審査員メンバー。名前はわかりませんが、これは隠れたファインプレーだったと思います。

ちなみに、自分のなかでの決勝のグループ各ステージの印象を簡単に書くと、

〔A組〕
心情的には磁石に入れたかったけど、ナイツを超えたかというと…

〔B組〕
すごく迷うがHi-Hi。でもスリムクラブもテンダラーも十二分に面白かった。

〔C組〕
途中噛んだところもあったけど、それでもパンクブーブーか。博多華丸・大吉は見事の一言。

〔D組〕
できればウーマンラッシュアワーに突破してほしかった。やり慣れてるネタとはいえ、あのスピードと構成はほぼパーフェクト。

といった感じ。それこそ、スリムクラブのあのネタなんかは、M-1の時と比べて既視感があるハンデがあることを考えると、M-1決勝時に匹敵するぐらいの出来だったと思います。
それでも決勝に行けなかったこということは、やはり今回の決勝に選出された演者のレベルがM-1以上に高かったと言えるのではないでしょうか。

決勝は正直、4組見終わって、ナイツパンクブーブー千鳥、どのコンビも優勝の可能性があると思って見ていました(Hi-Hiはさすがにないかなと(^^))。
すでに、その前の「爆笑問題が決勝進出者4組のネタを見る」という画で満足してしまったというのもありましたが、それぐらい三者に差はなかったと思います。
ナイツのラスト40秒は、テレビ史上に残る神ネタでしたが、途中、三谷幸喜のくだりはちょっとだれたところもあり。
爆発という部分ではナイツに及ばなかったもしれませんが、方向性という意味では、ナイツに勝るとも劣らないボケの種類を持ち、また誰にでもわかる題材であれだけ笑わせるという意味では、十分、パンクブーブーの優勝はありだった思います(最後、西川きよしの一票がナイツに入っていればナイツの優勝だったんですよね~)。

さて、見事優勝となったパンクブーブー。M-1優勝者の割に露出が少ないパンクブーブーですが、これでM-1に続く二冠達成。
正直、もしこれでパンクブーブーがそんなにブレイクしなかったとしたら、それはもうパンクブーブーが悪いとかではなく、テレビ界の方が、面白いネタをやる芸人を生かす術を持っていないということなんだと思います。
キングオブコントのときも書きましたが、テレビ業界の人は、もう少しパンクブーブーのような芸人を生かすような番組を作っていってほしい。ちょっと地味ですが、それは「シルシルミシル」でのちょっと悪意を感じさせるバカリズムのナレーションみたいな持っていき方でもいいですが、芸人のリアルキャラやエピソードトークに頼った番組だけではなく、ネタ・コント番組の復活も含めて、フィクションの面白さを追求した番組がもっとあってもいいのではと思います。

パンクブーブーが出演を確約された新番組も含め、「THE MANZAI」を一大会という括りだけに終わらせない、フジテレビの「番組構成力」に、今後期待したいですね。
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by momiageculture | 2011-12-20 02:16 | お笑い | Comments(0)

お笑い・音楽レビューを中心に続いています。細々と更新し、20年目。SPECIAL OTHERS、スカパラ、ゴッドタン、クイズ☆タレント名鑑 etc。/スポーツ系記事はこちら→http://agemomi.exblog.jp/


by もみあげ魔神
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